ラーメン店倒産と価格帯の壁
2023年のラーメン店倒産
2023年、ラーメン店(負債1000万円以上)の倒産は45件で、過去最多となった。
前年の2.1倍、2009年の調査開始以降最多を更新。
コロナ禍からの回復途上にあったところに、原材料価格や光熱費の高騰が経営を圧迫。
特に零細規模の個人店が苦境に立たされている。
ラーメン店の価格帯
一般的なラーメンの価格は、チェーン店で500円~800円、個人店で700円~1000円。
高級店では1000円を超えることもある。
地域やラーメンの種類によっても価格帯は異なる。
1000円の壁
多くのラーメン店にとって、1000円は値上げの心理的な壁とされる。
値上げをすると客離れに繋がる可能性があるため、価格を据え置きにする店が多い。
しかし、原材料価格の高騰により、1000円で提供できるラーメンの種類や質が限られてしまう。
今後、1000円を超えるラーメン店が増えていく可能性もある。
消えゆく昭和の味、そして新たな挑戦:ラーメン店の苦悩と未来
路地裏にひっそりと佇む、暖簾の揺れる小さな店。 年季の入った木製のカウンターには、常連客が一人、静かにラーメンをすすっていた。
店を切り盛りするのは、白髪の老店主・山田さんだ。山田さんは、40年以上この場所で、昔ながらのラーメンを作り続けてきた。
しかし、近年、原材料価格の高騰が経営を圧迫している。小麦粉、油、チャーシュー… あらゆるものが値上がりし、利益を確保するのが難しくなってきた。
「このままでは店を閉めざるを得ないかもしれない。」山田さんは、そう語った。
一方、街の反対側では、活気あふれる新しいラーメン店がオープンしていた。
店名は「創作麺房 奏」。モダンな内装と洗練された器で提供されるラーメンは、どれも1000円を超える価格設定だ。
しかし、店内は常に満席で、客の満足そうな笑顔があふれている。
奏の店主・佐藤さんは、かつて山田さんの店で修行を積んだ人物だ。「師匠の作るラーメンは、今でも僕にとって最高のご馳走です。
でも、今の時代、昔ながらのラーメンだけで生き残るのは難しい。」佐藤さんは、そう語る。
佐藤さんは、高級食材や独創的な調理法を取り入れることで、新たなラーメン市場を切り開いた。
山田さんは、佐藤さんの成功を複雑な気持ちで見つめている。「昔ながらのラーメンは、庶民の食べ物。それが1000円を超えるなんて…」
しかし、同時に、山田さんはこうも考えている。「このまま何もせずにいれば、店を閉めるしかない。何か新しいことを始めなければ…」
時代の波に翻弄される老舗と、新たな挑戦を続ける若者。
二人のラーメン店主の苦悩と未来は、日本のラーメン業界の未来を象徴しているように思えた。