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果樹の栽培

グアバの栽培 育て方 フィリピン現地生産者の知恵

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こんにちは、TARTです。本日の紹介はグアバの栽培です。

グアバ

フィリピンでは、グアバ(Guava)の栽培はフィリピンにおける農業活動の中で注目されている分野の一つと言えます。

グアバは美味しい果実として広く愛され、その栽培に関する技術や知識が進化し、新たな発展を提供しています。

グアバは新鮮な果物として食べられるほか、ジュースが一般的でその味は甘くて酸っぱい味わいで、独自の芳香を持ちます。

甘みと酸味のバランスが特徴で、ジューシーでさわやかな味です。

そのほかジャムの原料として広く使用されます。また、グアバは伝統的な薬草としても知られ、薬用の利点があり特に葉や根部分

は消化促進や糖尿病管理などに使用されます。

本稿では、フィリピンにおけるグアバの栽培に焦点を当て、現地生産者の知恵を紹介したいと思います。

<<目次>>

1.気候適応性

2. 土壌準備

3. マルチング

4. 土壌と肥料

5. 灌漑

6. 耕作と除草

7. 植え付けと剪定

8. 病害虫管理

9. 収穫と収穫後の管理



フィリピンにおけるグアバの栽培に関する重要なポイントを以下に示します:

1.気候適応性:

  • グアバはフィリピンの多くの地域に適しており、さまざまな気候条件で栽培できます。適切な選定と管理が重要。グアバ(Guava)の栽培に適した気候は、一般的に温暖で穏やかな気候です。以下に、適した気候条件について説明します:

    温暖な気温: グアバは温暖な気候を好みます。最低気温が摂氏10度未満に下がる寒冷地域では栽培が難しくなります。最適な気温範囲は摂氏25度から30度です。

    年間で降水量が均等な気候: グアバは年間を通じて均等な降水量がある気候を好みます。乾季や季節的な乾燥期がある地域では、灌漑が必要です。また、強い風や暴風からの保護も重要です。

    日照と光: グアバは日光を多く浴びることが必要です。日照が豊富で、日光が植物によく届く場所が適しています。

    標高: グアバは一般的に低地で栽培されますが、一部の品種は高地でも成功します。標高によって気温が変化するため、適切な品種を選ぶことが大切です。

    適度な湿度: 適度な湿度があると、グアバの成長に適しています。高湿度の地域では病害のリスクが高まることがあるため、風通しのよい環境が重要です。

    一般的に、グアバは熱帯および亜熱帯地域で最も適しています。例えば、中南米、南アジア、東南アジア、オーストラリアなどの地域で広く栽培されています。しかし、適切な品種選択と栽培管理によって、一部の品種は温暖な亜熱帯地域でも育てることができます。地域の気象条件と土壌特性に合わせて栽培プランを調整し、適した気候でグアバの栽培を成功させることが大切です。

 2. 土壌準備:

  • 土地の準備 
  • a) 耕作と耕運 – 裏庭での栽培の場合、土地の準備は主に50センチ幅と50センチの深さの穴を掘ることから始まります。植え付け前に穴に堆肥を置きます。広いエリアでは、土地を1-2回耕作し、これに交互に耕して土を完全に細かくし、土壌を露出し、雑草を除去します。これは雨季が始まる前に行うのが最適です。
  •  b) 棒立て – 棒を5から7メートル間隔で立て、どこに穴を掘るべきかをガイドする役割を果たします。1ヘクタールに植えるためには約277本のグアバの苗木が必要です。
  • 正確な植え付けの間隔は、品種、土壌の肥沃度、および灌漑施設の利用可能性に応じて決定されます。 
  • 植え付け 最適な植え付けの時期は雨季の始まりまたは中盤です。植え付け前に、穴に堆肥を置きます。また、植える少なくとも1週間前に、グアバの苗木を徐々に日光にさらすことで硬化させます。
  • 植え付けの際には、ポットやプラスチック袋を注意深く取り外し、根が乱れないように気をつけ、掘った穴にグアバの苗木を注意深く置き、細かい土で根元を覆います。
  • 土壌の湿度が不足している場合は、すぐに苗木に水をかけます。

3. マルチング:

  • マルチングは土壌の湿度と温度を安定させ、雑草の成長を抑制するのに役立つ。
  • 成長しているグアバの根元を乾燥した葉や稲わらで覆い、雑草の成長を最小限に抑え、湿気を防ぎます。

4. 土壌と肥料:

  • グアバは良く排水された土壌を好む。肥沃で有機物質が豊富な土壌が育成に適している。
  • 肥料の適切な施用が成長と実を結ぶために不可欠。
  • 施肥方法:

    施肥の頻度: グアバの木に肥料を与える頻度は、新しい苗木の植えつけから成熟期まで変化します。これには植えつけ後1か月、6か月、梅雨明け、結実開始時、そして果実生産のピーク時期が含まれます。

    施肥の量: 施肥量は成長段階に応じて調整され、木が大きくなるにつれて増やされます。初期には100〜500gの硫酸アンモニウム(25-0-0)を使用し、成熟期には1本の木に2kg以上の完全な肥料(14-14-14)を提供する必要があります。

    肥料の成分: 施肥ごとに窒素(N)とカリウム(K)を多く含む肥料を使用することが推奨されています。これらの要素は成長と実の発育に寄与します。

    分割施用: 果実生産のピーク時期には、1本の木に2kg以上の完全な肥料(14-14-14)を施用するとあります。このような大量の肥料を一度に施用するのではなく、分割して与えることも考慮に値します。これは肥料の過剰な使用を防ぎ、植物に均等に栄養素を供給するのに役立ちます。上記の情報は地域や土壌条件によって調整する必要があるため、フ実際の栽培状況と土壌テスト結果に基づいて、適切な施肥スケジュールと施肥量を調整してください。地元の農業担当者や農業専門家のアドバイスも重要です。

5. 灌漑:

  • 一般的に、グアバは乾燥期にも成長できますが、成長段階に応じた灌漑は成果を向上させます。長期の乾燥期に追加の灌漑を行うことで、木に十分な水分を供給し、健康な成長を促進できます。この時、点滴灌漑法が大変有効です。
    また、果実の発育中に灌漑を適用することで、果実のサイズが大きくなり、生産量が増加が期待できます。

6. 耕作と除草:

  • 浅い耕作は、植物の根元周りの土壌を浅く掘り返すことを指します。これにより、雑草の成長を阻止し、植物の根に損傷を与えないようになります。浅い耕作は、雑草の成長を制御するのに役立ちます。
  • 「リング状の除草」は、グアバの植栽周囲に輪を描いて雑草を取り除く作業を指します。これにより、競合する雑草が植物から遠ざかり、植物が光や栄養を十分に受け取ることができます。これは栽培地の中心に植物の周りに空いたスペースを作り、雑草の制御に役立ちます。

7. 植え付けと剪定:

  • 最適な植え付けの時期は雨期の初めまたは雨期中です。これは、植物に水と湿度を供給するために最適な時期であり、苗木の根付きを助けます。
  • 植え付け前に、穴を掘り、堆肥を用意します。堆肥は土壌に有機物を供給し、栄養を増やす役割を果たします。堆肥は穴に均一に配置しましょう。
  • グアバの苗木を植える前に、少なくとも1週間は苗木を太陽光に徐々に慣れさせることが重要です。これにより、苗木は日光に適応し、光合成を行いやすくなります。
  • 植える際に、苗木を容器から慎重に取り外し、根が妨げられないように注意しましょう。根が絡まないように整理し、根が折れたり傷ついたりしないように気をつけます。
  • グアバの苗木を穴に慎重に配置し、根元まで細かい土を使って覆います。土をしっかりと固め、苗木をしっかりと支持します。
  • 土壌の湿度が不足している場合、植えた直後に苗木に水を与えることが必要です。適切な水分は苗木の根付きと成長に不可欠です。十分な水を供給して、土壌の湿度を適切に保ちましょう。
  • 剪定とトレーニング:剪定は既存の成長を管理し、枝や葉を切り取って形状を整えるのに対して、トレーニングは苗木や若い植物の成長を誘導し、将来の形状を指定することを意味します。
  • グアバの生産において、剪定は必要不可欠です。これは、グアバの木が望む形状や姿勢、例えば広がりや対称性、または冠の制限、あるいは枝の数を持つために行います。ただし、木々が強固な骨格を確立し、実をつけ始めた場合、トレーニングが少なくなります。根から生える新芽、低い位置の枝、病気に感染した枝、および枯れた枝は取り除かれるべきです。また、植え付け後の最初の3から4か月以内に剪定とトレーニングを行い、収量を増やし、畑運営の総費用を削減するための重要なステップとなります。

8. 病害虫管理:

  注意深い観察、早期の発見、そして感染源の制御や廃棄が重要です。害虫と病気の早期発見と適切な対策を実行することで、グアバの健康な成長と高品質の実の収穫を確保できます。

グアバの害虫

a) オリエンタルフルーツフライ(Daucus dorsalis Hendel):グアバの主要な害虫の一つで、その幼虫は熟した果物に穴を開け、食べ物として適さなくします。この害虫を制御するために、グアバの果物を袋で覆い、果物が熟すと直ぐに収穫します。感染した果物は回収し、害虫の幼虫と蛹を破壊するために焼却または埋め立てます。

b) アフィド(Aphis gosypii Glover):若い成長部分を摂取し、葉を巻き上げる原因となります。アフィドはてんとう虫とハマキムシ科の幼虫によって食べられます。適切な殺虫剤(マラチオンなど)を使用して害虫を制御します。

c) ウミムシおよび鱗状昆虫:一般的な白いウミムシ(Lanococcus lilacinus Ckll)は、グアバの若い新芽と果物から植物の樹液を吸収しますが、経済的な被害は限定的です。ただし、この害虫はアリを引き寄せ、果物の収穫時に迷惑を引き起こすことがあります。

d) グリーンスケール昆虫(Coccus viridis Green):若い新芽、特に葉に寄生する軟らかい鱗状昆虫で、雨期には昆虫病原性菌の使用が効果的です。小さなハチの寄生虫、Coccophagus tibialisの使用も推奨されています。

e) ピンクキャタピラーのガ(Zuezera coffeae Nietn):若い直立成長の茎に穴を開け、中心で摂取し、茎が突然枯れるか折れることがあります。感染した茎は、茎の中に葉中脈を挿入し、内部の幼虫を駆逐することで救うことができます。感染した小枝が折れてしまった場合は、幼虫を駆逐します。

  • グアバの病気


a) アンスラコースまたはカンカー:この病気はGloeosporium psidii G Delという菌によって引き起こされ、果物表面全体に円形で乾燥した隆起したカンカスポットができることがあります。湿潤な条件下では、熟した果物にくぼみのある軟らかい病変が見られます。この病気は植物の衰退も引き起こすことがあります。殺菌剤の散布が行われることもありますが、確実な制御策はありません。

b) 葉と果物の斑点:湿度の高い地域で、一部の種や品種のグアバに対して比較的深刻な症状を引き起こす寄生性藻類であるCepaleuros sppによって引き起こされます。この障害を制御するためには、銅系の殺菌剤を散布します。

c) 萎凋病:Glomremella psidii Sheldによって引き起こされ、未熟な果物のミイラ化と黒ずみを引き起こす別の病気です。

9. 収穫と収穫後の管理:

  • グアバは熟した状態で収穫する。硬すぎず、色と香りが適切なものを選びます。
  • グアバの実は、開花してから90~150日後に熟します。グアバの実は手摘みされています。グアバの収穫には注意が必要であり、通常、手で摘まれます。収穫のピーク時には、成熟したグアバを収穫する期間は2~3日間を超えないようにしなければなりません。これは虫害や果物の過熟化による損失を防ぐためです。


  • 収穫後、摘んだ果物は太陽光から遠ざけ、涼しい乾燥した場所に保管されるべきです。品質を維持するためには、できるだけ早く果物を処理するのが最適です。果物ピューレは冷蔵庫で保存したり、冷凍したり、無菌パッケージに詰めたりできます。果物を一晩保存する必要がある場合、果物の箱は屋根のある、風通しの良い場所に置かれるべきです。

以上がグアバの苗木植えるための土壌の準備から果実の収穫までの工程でした。

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