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ナザレノのまとめ

【袋栽培のススメ】チリ栽培で採算をとる工夫 フィリピン版

【袋栽培のススメ】チリ栽培で採算をとる工夫 フィリピン版


チリ栽培を始めるにあたって

今日はチリ栽培について記したいと思います。農業は誰でも始められ、リタイアのない仕事です。若者からシニアまで、多くの人がYouTubeに活動の記録を投稿し、農業の魅力を発信しています。
自分がボスですし、誰かに命令されて憤慨することもない——これは大きなメリットです。しかし、体力と採算の問題は大きな要因となり、作物や栽培規模の選択には限界があります。
それでも、人力の問題と販売の課題さえ解決できれば、他にこれほど自分に向いた仕事はないと思っています。私自身、一生働き続ける覚悟を持って農業に取り組んでいます。

作物選定と採算の重要性

農業を始めるにあたり、どの作物が高値で売れ、この土地に適しているのかを調査しました。どうせ作るなら、効率よく利益を得られる作物を選びたいものです。
ただし、儲からない作物を栽培すると採算が合いません。この問題はどの地域でも起こり得ることですが、特に供給過剰の作物は市場価格が極端に下がり、農地での買い取り価格も低くなります。
そこで、昨年まで非常に好成績を収めていたチリ栽培に着目し、この作物を手掛けることにしました。

チリ栽培の採算計画

チリ栽培の予想採算は以下のとおりです。

  • チリ1株の生産量:約1~2kg
  • 市場価格:首都圏では1kgあたり350ペソ
  • 定植可能数:1ヘクタールあたり約20,000本
  • 総経費:ヘクタールあたり約25万ペソ

これは、一般的なチリ栽培農家の定植株数と必要経費の目安です。
私の農地では、100ポットあたりの必要面積が50㎡で、2万個のポットを作っても1ヘクタール以内に収まるため、栽培スペースには十分な余裕があります。

栽培環境の改善策:ポリ袋での栽培

露天で栽培するだけでは芸がないので、雨天でも栽培しやすいようにビニールハウスの導入も次の段階で考えています。
この場合、経費と管理の観点から、適切な栽培規模は1,000㎡程度でしょう。
どちらの方法であっても、栽培を管理できる人員の確保が必要になります。こうした課題を検討しながら、現在、チリ栽培のトライアルを進めています。

現在の市場価格と供給過剰

採算の面では、ここバターン州の農場買い取り価格は、せいぜい高くても1kgあたり100ペソです。
一方、2023年7月10日時点の市場価格は1kgあたり50ペソと、前年と比べて大幅な安値となっています。
恐らく、多くの農家がチリ栽培を「儲かる作物」と考え、生産を集中させた結果、市場で過剰供給が発生しているのでしょう。

今後の栽培環境と気候の変化

ここバタアン州では、炎天下の続いた5月が終わり、7月に入ってからは徐々に雨の日が増えています。
低地では洪水も発生し始めており、今後の天候による影響を考慮しながら、栽培計画を進める必要があります。



台風シーズンの影響と土地の利点

今、私は台風を待つべきかどうか思案しています。台風シーズンになると低地は水浸しになり、さまざまな農産物の生産が難しくなります。一方、私のところは高地で、周囲を大木に囲まれているため、台風シーズンの風雨にさらされる確率が低く、地の利があるという皮算用をしています。(悪魔の発想ですが…)

現状の市場価格と耕作の困難

しかしながら、7月現在、市場価格がまだ安すぎて次の手を打つことができません。先述のとおり、この土地には大きな石がゴロゴロしており、トラクターを入れることができないため、一般的な畑のように機械を使って耕すことができません。石を取り除くことも考えましたが、その労力と費用を考えると、これ以上身銭を切ることに抵抗があり、二の足を踏んでしまいます。

袋栽培の導入

そこで、いろいろ調べたところ、ポリ袋での栽培でも可能であることが分かったので、この方法を採用することにしました。

まず、20リットル入りのプラスチックプランターを用意し、さらにより廉価な50キロの米袋も活用しました。

(しかし米袋はおすすめしません。1シーズンでズタボロになってしまいます。)

培土の準備と作業量

培土については、ここの農園には森林が多く、毎年剪定すると大量の枝木が発生します。通常、ケアテーカーがこれを炭焼きにするのですが、焼いた後の灰やその周辺の土は、良質な培土になります。その土を適度に混ぜ、スコップで袋に詰めました。
ケアテーカーと二人で約120ポット作ってみたのですが、かなりの労力がかかり、これを2万ポット作るとなると、とてもではありませんが実行できません。追加の袋を作る気が失せてしまいました。

施肥と定植

その際、乾燥した牛糞(こぶし大のもの)を砕かずに、そのままポットの底や側面に配置しました。これを約2週間放置し、馴染ませた後、トリプル14を10g施肥して5日間放置。その後、市販のチリ(ラブヨ)の苗を定植しました。
以降、各ポットごとに、以下のように肥料を施肥しています。


  • 1.9日目に窒素5gトリプル14を各5gをを施肥。
  • 2.2週間後(23日目)窒素とトリプル14を各5gを施肥
  • 3.2週間後(37日目)16-20-0と0-0-60を各5gを施肥
  • 4.2週間後(51日目)トリプル14を5gを施肥

としていく予定です。

又チリは辛いので虫害や雑菌に強そうですが意外に弱いのですね。放っておくと虫害や病気で全滅することが多いのです。

そこで防虫剤は虫が抵抗を学習しないように2種類と殺菌剤の推薦のもの

  • KOTETSU
  • DETHANEM-45
  • NIMBECIDE

の3種類を使用しています。

処方は2Lの水に3-4g(mL)ガイド通り混ぜてこれを散布しています。これも2週間ごとをベースに実施していきます。

ちなみにチリと同じような育て方でできる作物にピーマンがあります。

これが現在㎏あたり100-150ペソで2か月ぐらい推移しています。

なるほどチリがだめならピーマンがあったかと思案する次第です。

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