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果樹の栽培

マンゴーの栽培 育て方 フィリピン現地生産者の知恵 実がなるまで

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こんにちは、TARTです。

今日のご紹介はマンゴについてです。ニコニコ

マンゴーと言えば、日本でも多くの方が親しんでいるでしょう。

フィリピンでも、マンゴーは多くの大規模農家によって栽培され、バナナと同様、いつでもどこでも手に入るオールシーズンな果物の代表格です。

また、マンゴーの木の寿命はとても長く、通常40-60年で、場所によっては100年以上経っていても実をつける樹木もあり、収穫量も他の果樹を圧倒します。40mにも成る大木では年間500kgのマンゴーの収穫を可能にする現地生産者にとってとても好まれる果物でもあります。

ナザレノ農園では、樹齢50年になる大木が立ち並び、生産用途よりも観賞用として日陰を提供しています。それでも毎年、豊富な実りを迎え入れています。

また、この木の上には、竹を組んで作った小さな休憩所があり、涼む場所として利用しています。(これはイメージです実物とはは異なります。)

それでは、今回はマンゴーの栽培方法について詳しく紹介していきます。

マンゴーの栽培基礎ガイド

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1. 土壌の準備


1. 土壌の特徴
マンゴは土壌の要件に対して厳格ではなく、木は深根性であり、広範囲の土壌タイプと肥沃度の範囲で成長し排水性がよく、pHが5.5〜7.5の範囲内であることが望ましいです。ただし、商業用の植樹では、排水良好な土壌、有機物が中程度に豊富な土壌、pHが5.5から7.5の範囲であることが選択されますが、最も理想的なのはpH6.5です。酸素の減少と土壌伝染性の菌(Phytopthora)による感染を防ぐために、水浸しの地域に木を植えることは避けるべきです。

標高は商業用の植樹では、マンゴは海抜600メートルを超えない標高に植えるべきだと推奨されています。高い標高で育った木は開花と果実の発育が遅れ、病気にかかりやすくなります。

気温は葉の発育期間、開花の時期、果実の熟成に影響を与えます。28°Cの平均気温は、成功したマンゴ生産にとって好適です。温度が低くなりやすい高地に木を植えることは避けてください。

降雨量は一般的に、降雨が増加すると相対湿度も増加し、それに伴い病気、特に炭疽病やスカブ病の発生が高まり、対策は経済的でないことがよくあります。また、連続した雨は木をより多くの植物体にし、花誘導を難しくします。一方で、植物の早期成長段階での雨は、畑における木の迅速な確立と葉の早期の新芽を促すために必要です。

2. 土壌の準備
・マンゴの栽培に適した土壌を作るためには、以下の手順を実行してください。
・スペード形状のスコップを使って土壌を掘り起こし、石や根っこを取り除きます。
・堆肥を加え、土壌を肥沃にします。堆肥は、マンゴの栄養分を補うために必要です。
・石灰を加え、土壌のpHを調整します。マンゴの栽培に適したpHは、5.5〜7.5の範囲内です。
・土壌を平らにし、水を与えます。水を与えることで、土壌がしっかりと固まり、マンゴの根がしっかりと定着します。

以上の手順を実行することで、初心者でも簡単にマンゴの栽培に適した土壌を作ることができます。

加えて、農園主の準備は次の通り

1. 林下の整備、耕作、および耕運:
   – 農作物が植えられていない場合は、木や低木の伐採、石、切り株、および丸太の除去が必要。
   – 雑草を取り除くために草を引き抜くことも推奨。
   – 以前に耕作されたエリアでは一回のすき込みと二回の耕運が必要。
   – 土地の準備は夏に行い、雑草の成長を最小限に抑え、すき込みや耕運作業を容易にする。

2. 穴掘り:
   – 穴掘りは夏が最適。肥沃な土壌では1.0 x 1.0フィート、困難な場合は0.5 x 0.5メートルの大きな穴が掘られる。
   – 穴の四分の一は有機物で埋められ、新しく植えられた接ぎ木に栄養を供給。

3. 植樹のデザインと間隔:
   – 正方形、三角形、クインカンクスなどのデザインを選択し、栽培要件を実施しやすくする。
   – マンゴの種類や土壌条件により、植樹間隔を調整。適切な間隔は木の発展、文化的な作業、および病害虫の制御を考慮に入れて決定。

4. 「カラバオ」マンゴの間隔の推奨:
   – 「カラバオ」マンゴの成長特性や土壌に応じて、10 x 10メートルから20 x 20メートルまでの間隔が推奨されています。
   – 高密植えは「カラバオ」マンゴには適しておらず、過密になると収量や果物の品質に影響を与える可能性があります。

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2. 種から育てる(種子の選択) 

  • マンゴの種子の選び方
  • マンゴの種子の保存方法

マンゴの種子の選び方については、以下の手順を参考にしてください。

1. 新鮮な種子を選ぶ:種子は、新鮮で健康的なものを選ぶことが重要です。種子は、果肉から取り出した後、すぐに植えることが望ましいです。
2. 大きな種子を選ぶ:大きな種子は、より強く、健康的な苗を生み出す可能性が高いです.
3. 熟した果実から種子を取り出す:熟した果実から取り出した種子は、発芽率が高く、健康的な苗を生み出す可能性が高いです.
4. 種子の表面を確認する:種子の表面には、カビや虫などのダメージがないか確認することが重要です.

以上の手順を参考にして、健康的なマンゴの種子を選ぶことができます。

3. 植え付け

マンゴの繁殖 マンゴは種子を用いた性的な繁殖や、植物の有性無性による繁殖が可能です。 種子による繁殖は一般的ですが、果樹園のような管理下では、より多くの栽培者が種苗ではなく接ぎ木されたマンゴを植える傾向があります。なぜなら、より多くの木が1ヘクタールに植えられ、果実の生産が早いからです。

  • マンゴの植え付けについては、以下の手順を参考にしてください。

     1. 植え付けのタイミング
    マンゴの植え付けは、3月から4月の間が適期です。この時期に植え付けることで、マンゴの成長を促進し、健康的な木を育てることができます.

    2. 植え付けの手順
    マンゴの植え付けの手順は以下の通りです:

    1. 穴を掘る:マンゴの根が十分に伸びるよう、幅60cm、深さ60cmの穴を掘ります。
    2. 土壌を準備する:マンゴの栽培に適した土壌を用意します。マンゴの栽培に適した土壌は、排水性がよく、pHが5.5〜7.5の範囲内であることが望ましいです⁴.
    3. 苗を植える:苗を穴に植え、根元に土をかけます。根元に土をかけることで、苗がしっかりと定着し、成長を促進することができます。
    4. 水をやる:苗を植えた後、十分に水をやります。水をやることで、苗がしっかりと根付き、成長を促進することができます。
    マンゴの果樹園の設立には以下のステップが含まれます:

4. 水やり

1. 水やりの頻度

畑で若い木が枯れることは通常、主に乾燥した月(12月から4月)に水不足が原因とされています。週に一度、水やり用のスプリンクラーを使用して手動で灌漑することが推奨されています。土壌を飽和させるために2から4リットルの水を灌漑します。この活動は、木が畑で確立するまで、成長の2年目と3年目にわたって継続的に行う必要があります。大規模な農園では、灌漑システム(スプリンクラーとドリップ)が推奨されています。

2. 水やりのタイミング

マンゴの水やりのタイミングは、土が乾いたら行います。水をやりすぎると、根腐れの原因となるため、注意が必要です

5.剪定


1. 形成剪定:
   – 木の高さを制御するため、約1mの高さになったら行う。
   – 端部を切ったりつまんだりして横の枝を促進。

2. 分岐の促進:
   – 3本から4本の均等に成長した枝ができるように、定期的に端部を切る。

3. 成熟木の中央剪定:
   – 3-4年生で、高さ3メートル以上の成熟した若木に対して、高さ制御と横の分岐のために中央剪定を行う。
   – 日光透過、空気循環、散布、袋詰め、収穫を助ける。

4. 剪定のタイミング:
   – 乾季に行うことが推奨される。

5. 花芽の取り除き:
   – 初年度の成長時に発生する若木の花を取り除き、木の健康な発育を促す。

6. 木のケア:
   – 不要な枝、水芽、古い・腐敗した枝、感染した部分を剪定。
   – 光と空気の透過を増やし、病気や害虫の予防。

7. 剪定の避けるべき点:
   – 実をつけている木での過度な剪定を避け、通常2インチ以下の枝を取り除く。
   – 均等に枝が分布し、キャノピー内で周囲の木が見えるように。

8. 適切な剪定の時期:
   – 収穫後の夏が最適。雨期には真菌感染を防ぐ対策が必要です。

9. 激しい剪定:
   – キャノピーの30%以上を取り除き、主に害虫深刻に対処するためや古い木を再生するために行います。
   – 適切な剪定ツールを使用するが、利用できない場合は通常の大工の道具を利用します。

6. 肥料のやりかた

初期の研究では、マンゴー産地の土壌は成長に十分な栄養を提供できると考えられていました。しかし、硝酸カリウムの過度な使用が問題となり、木の健康に悪影響を及ぼしました。影響を受けた木は通常栄養不足で、土壌分析が重要です。肥料を施用する前に土壌を分析し、欠乏した要素に対処することが推奨されます。

1. 肥料の種類
マンゴの肥料には、緩効性化成肥料が適しています。春から秋にかけての成長期の時期に、チッ素・リン酸・カリが同等に配合されている緩効性化成肥料を与えます123.

2. 肥料の与え方
肥料は、3月、5月、8月に規定量の肥料を与えます

肥料の量:1本あたり、1回あたり約200gの肥料を与えます

マンゴーにおける栄養欠乏症状:

  1. 窒素: 黄色く、小型の葉が存在します。変色は基部から始まり、先端に向かって進行します。成長が遅れます。
  2. リン: 通常、古い葉に褐色の斑点が現れます。進行すると葉は茶色くなり、乾燥し、落ちます。一部の場合、葉は縁に沿って赤紫色に変わり、成熟後の離脱と茎の枯死が発生します。
  3. カリウム: カリウム欠乏の独特の症状は、古い葉に現れます。葉端にまで広がる褐色の壊死によって示されます。葉身は乾いた黄緑から淡い緑色に見えます。これらの症状は乾季に非常に顕著です。
  4. カルシウム: 窒素欠乏と同様ですが、葉の黄色化は基部ではなく先端から始まります。
  5. マグネシウム: この元素の欠乏は成長の著しい遅れと葉の早期脱落を引き起こします。重症の場合、葉脈にまで黄化が広がり、ほとんど緑色が残りません。
  6. 銅: 大きな葉が存在します。通常、小枝や枝の皮にガムが分泌されています。
  7. 亜鉛: 亜鉛欠乏症状は「リトルリーフ症」と呼ばれます。葉が成熟すると、縁が下向きまたは上向きに曲がり、葉の先端部分が同じ方向に曲がります。葉の上面では葉脈がより顕著になり、黄色く見えます。
  • 大きな成熟した木の肥料施用:

– 30歳以上の大きな成熟した木には、適切な肥料施用が必要です。
– 幹の周りに広がる冠に従って15〜30cmの深さの狭い溝または穴を掘り、そこに肥料を入れ、雨の日に化学物質の揮発または流出を最小限に抑えるために土で覆います。
– 若い木には、幹から半径1.0〜2.0の位置に溝または穴を作ります。

  • 花時の葉面肥料:

– 花時には葉面肥料が推奨されています。
– 最初と2回目の葉面肥料の施用は、花誘引後14〜18日と22〜25日に行います。
– 2回目の施用は花誘引後35〜40日で、3回目は50〜55日で行い、それぞれ果実の結実と成長に寄与します。
– 主要な元素(NPK)とカルシウム、マグネシウム、ホウ素、亜鉛などの微量元素を含む葉面肥料を選ぶことが重要です。

  • 花芽誘導:

– 葉の年齢は7〜8ヶ月である必要があります。
– 葉の成熟は水ストレス、気温、および日長の影響を受けます。
– 硝酸カリウム(KNO3)を使用して花芽誘導を行います。農業グレードのKNO3または他の硝酸塩の製剤がお勧めです。
– 高濃度は寒冷な月や雨期に、低濃度は乾燥した月に適しています。

  • 花の管理:

– マンゴーの花は男性花と完全花の2つのタイプがあります。完全花のみが実を結びます。
– 花の管理においては、花がマンゴーのリーフホッパーや穴あけ蛾の攻撃を受けやすいため、有効な殺虫剤で処理することが重要です。
– 花が病気になると、雨の日に炭疽病が発生し、花が黒くなり地面に落ちることがあります。
– 花が実を結ぶためには天敵(ハエや蜂など)の存在が重要であり、満開の時に農薬を避けることで天敵を奨励します。

7. 病気と害虫の防止

マンゴの病気には、炭疽病や菌核病などがあります。

  • 炭疽病に対する予防策としては、風雨による土の跳ね返りによって発生する場合があるので、敷き草は土が見えない程度に厚く敷くことが挙げられます。また、排水を良くすることも有効です。
  • 菌核病に対する予防策としては、葉の裏面に発生する菌糸体を殺菌するため、殺菌剤を散布することが挙げられます。

マンゴの害虫には、アザミウマやハダニなどがあります。

  • アザミウマに対する予防策としては、アザミウマキャッチャーやニューウインズパックなどの農業資材を使用することが挙げられます。
  • ハダニに対する予防策としては、薬剤散布や天敵の導入などが挙げられます。
  • 治療方法については、殺菌剤スプレーを再適用する必要があることが挙げられます。また、硫黄を適用して、感染が新しい成長に広がるのを防ぐことも有効です。
  • ただし、マンゴーのかさぶたは、炭疽病のスプレープログラムもかさぶたを制御するため、通常は治療する必要はありません。
  • 重要な昆虫/病気のための害虫管理は花の管理において重要な考慮事項です。マンゴーの花はマンゴーのリーフホッパーや穴あけ蛾の攻撃に非常に敏感です。したがって、これらの害虫に対して有効な殺虫剤で花を散布する必要があります。雨の日には花が黒くなり、炭疽病によって地面に落ちます。これはマンゴーの非常に一般的な病気であり、湿度が存在すると発生が増加します。したがって、花が果実に発達しない原因は昆虫や病気の存在または不在に影響されます。天敵(ハエや蜜蜂)を奨励するために、満開の段階で殺虫剤を散布しないように心掛けましょう。天敵の存在により果実の結実が増加し、満開の段階で殺虫剤が散布されると多くの昆虫が死亡するためです。

8.収穫

  • 収穫時期の判断

  – 成熟したマンゴのみを収穫し、外見や品質を保つために慎重に行います。
  – マンゴーは樹上で熟しますが、マンゴーの収穫は通常、しっかりとした成熟した状態で行われます。

  – マンゴーは、果実の鼻またはくちばし(茎の反対側の果実の端)および肩がいっぱいになったときに成熟したとみなされます。 

  • 収穫方法

  – 手摘みが最適。切断器具を使用するか、それがない場合は慎重に引き下げて柄を残します。
  – 成熟した果物の場合は切れ味のある摘み棒と柔らかいネット/バスケットを使用します。
  – 収穫時間は午前9時から午後3時まで。柄を残し、果物を逆さにして乳液染みを最小限えますえます。

9. まとめ

今回はフィリピンのマンゴー栽培について詳しく探ってきました。マンゴーはフィリピンの多くの農家が栽培している果物であり、その栽培方法や手入れには大変手間もかかり慎重な注意が必要です。

樹齢50年を超える大木のある当農園では、生産用途ではなく観賞用途として利用され、それでも毎年豊かな実りを迎えています。小さな休憩所が作られ、木の上で涼む場所としても活用されている様子は、この地域ならではの風景と言えるでしょう。

マンゴーの栽培においては、適切な施肥や水の供給、花芽誘導のタイミングなどが重要です。

マンゴーの甘くジューシーな味わいは、食事の楽しみだけでなく、美容と健康へのサポートも兼ね備えています。

美容や健康に優れた効果をもたらすこのフルーツは、ビタミンAやC、食物繊維、抗酸化物質が豊富に含まれ、肌の健康や免疫力向上に寄与します。

フィリピンの農家たちは、大切に育て、丹精込めて栽培するマンゴーは、その地域ならではの特別な恵みと言えます。

これからも美味しさと健康を両立させるため、マンゴーの栽培に心を尽くしていくことが期待されます。

農家たちはこれらの手入れや手順を通じて、美味しく、良質なマンゴーを生み出しています。フィリピンの大地から、これからも美味しいマンゴーが日本の食卓へ届くでしょう。

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